私の弟

第 8 章

弟は結局、約 5 年間新会社で仕事をしましたが、いよいよ本当に、1 人で個人営業する時がやって来ました。当時は未だバブル経済期だったので個人事業主になっても収入は安定して十分あったようです。弟は前の会社の 5 年の間に仕事で韓国へ行ったりしていましたが、個人で事業を始め自由になったので、翌年、1989 年、久々に仕事と全く関係なく、有る旅行ツアーに参加してスイス、エジプト、イスラエルと 13 日間(11/19~12/01)ゆっくりと異文化を見学して来ました。旅費もかなり要したようですが、長い間、海外や外国語に触れていなかった弟にとって、この旅行は再び夢多き時代を思い出す良い機会になったようでした。これも妻である彼女の協力があってこそ出来たのです。しかし、人生はなかなか先が見えないものですね。1991 年からバブル経済期の崩壊が始まりました。経済市場はどんどん不況になって、当然、弟もその影響を受けました。このまま同じ業界での経営は無理と思い、有る方に相談すると、その方が弟に「あなたは語学が出来ると聞いているので、語学教室をしたらどうですか?」とアドバイスくれたとのことでした。しかし、弟は当時、大手の英会話を教える会社がいくつもあったので、余り気が進まなかったとのことでした。その日帰宅して、そのことを奥さんに話すと意外と彼女は「好きなことだからやって見たら」との意見だったと言っていました。そして、1 週間後、本当にタイミング良く、ある情報が入りました。

(第9章につづく)

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