私の弟

第 10 章

その後、弟は生徒本位の独自の語学教室を持ちたいと思うようになったそうです。人生は不思議ですね。ピンチになった時、逆にチャンスに向かって行くようになるとは、でもそんな簡単には行きません、多くの時間も必要です。語学教室を開くといっても先生のこと、もちろん場所のこと、問題をクリアーして行かねばなりません。先ず場所の件ですが、姉の私が営業していたパン屋の 2 階、かつて弟が台湾から結婚をするため帰国した折、滞在した部屋が空いていたので、そこへホワイトボードを置き、長いテーブルを 5 脚、パイプ椅子 8 脚を購入し、一つ教室を作りました。大きな看板を外に取り付け、名前も決まっていました。シャロンランゲージスクールです。そして、後は先生を探すことだけになりました。弟はいろんな方面に友人が多いので、あちこちに声を掛けていました。そうしたら1週間後、1人の友人から連絡がありました。個人の語学教室を持っているアメリカ人男性が、生徒が増えて管理が出来ないので手伝ってくれる日本人を探しているとのことでした。弟は早速、彼に会いに行きました。彼との話は大変打ち解けて出来たのですが、やはり自分の語学教室をスタートさせたい思いが強かったので、丁寧にお断りしたそうです。そして、実は現在自分の語学教室の先生を探していると伝えて、今後もお互いに協力して、情報交換しようと分かれたそうです。

(第11章につづく)

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